2019/08/26
膀胱炎は膀胱内に入った菌が粘膜に炎症を起こし、排尿痛や残尿感などの症状が出るトラブルです。年齢や性別にかかわらず症状が出るとされますが、泌尿器科だけではなく内科でも治療を受けられる場合があります。 ここでは、内科で膀胱炎の治療が受けられる理由や検査方法について詳しく紹介します。
内科でも膀胱炎治療が受けられるの?
腎臓や膀胱のトラブルは泌尿器科の領域ですが、内科でも尿検査を通じて膀胱炎の有無をチェックすることができます。
尿の中に白血球が出現したり、亜硝酸塩が検出された場合には膀胱炎が疑われるので、抗生物質による治療で膀胱内の細菌を死滅させます。
尿検査や抗生物質の処方は内科でも十分に可能ですし、治療に関する説明も内科で行うことが可能です。
ただし尿道カテーテル使用中の感染や「膀胱内憩室」の方、婦人科系の疾患をお持ちの方、生殖機能のトラブルによる膀胱炎など複雑な原因がある場合は、すべて泌尿器科で対応することになります。
一般内科の場合膀胱炎治療を行っていない場合もあるので、「内科・泌尿器科」または「腎臓内科・泌尿器科」と表示されているクリニックを探すか、複数の科が連携して診察を行っている規模の大きな病院を受診するのもおすすめです。
膀胱炎の検査方法
クリニックでははじめに生活状況をみるための問診を行い、その後で尿検査が行われます。
白血球の濃度を調べて一定以上の値であれば膀胱炎と診断され、抗生物質の投薬による治療を数日行います。
尿の中の細菌を培養して検査する同定も行いますが、こちらは一週間程度の期間を要するため、検査結果が出るまでに時間がかかる可能性もあります。
問診の段階で性病の既往症がある、または現在性病に罹患している可能性があり、そこから膀胱炎が発生していると疑われる場合は、原因を正しく見極めるために一度内科で膀胱炎検査を行い、その後婦人科や泌尿器科で検査が行われます。
膀胱炎はトイレを我慢したり、入浴の習慣がない、陰部が不衛生であるといったふだんの生活から発生しやすいため、問診もしっかりと行われます。 しかし最終的に膀胱炎と診断するためには、尿検査や細菌の分析が必要不可欠であるため、検査は必ず受けなければなりません。
膀胱炎の治療方法
膀胱炎の治療方法は以下の通りとなります。
・投薬治療
・ 性病の治療
・ 既往症や原因となっている疾患の治療
上記のうち、投薬治療は主に抗生物質・抗菌薬による治療で、もっとも一般的な対処法です。
膀胱炎の多くは細菌感染によるもので、体に異常がなく陰部周辺も清潔であれば、一時的な感染症とされ投薬治療で対処することができます。
性病を抱えており、そこから感染症を起こしている場合には、婦人科や泌尿器科へと移り、そこで専門的な治療を行うことになります。
こちらも専用の検査・分析を行うことで薬が処方され、治療を続けることで改善へと向かいます。
慢性膀胱炎のように既往症があり、発熱や血尿が止まらない場合には原因となる病気が他に隠れている可能性があるため、泌尿器科の専門医が対処し、原因を突き止めるための検査・分析を行って治療を進めていきます。
膀胱炎にも種類がある
内科は基本的に風邪などの症状を診断する場所ですが、医師が腎機能や泌尿器科領域の知識がある場合には膀胱炎の治療も行われます。
ただし、慢性膀胱炎や性病など原因となる症状が別にあるときには内科だけでは対処ができないため、他の病院を紹介されるケースも少なくありません。
「内科・泌尿器科」のように複数の診療科目に対応しているクリニックであれば転院の必要がなく一貫して治療が行えるので、かかりつけ医を探しておくことをおすすめします。