2019/07/24
睡眠時無呼吸症候群には、指標であるAHI(Apnea Hypopnea Index)が設けられています。
AHIによって重症度を分類し、症状に合わせた治療を行います。また、検査方法も異なれば症状も違うので十分な把握が必要になります。
この記事では、睡眠時無呼吸症候群の指標「AHI」をはじめ、検査方法や症状について詳しく解説していきます。
目次
「睡眠時無呼吸症候群の指標「AHI」って何?」
AHIは、睡眠1時間あたりの無呼吸および低呼吸の合計回数のことで、これによって睡眠時無呼吸症候群における重症度を分類する仕組みになっています。
ちなみに低呼吸は「動脈血酸素飽和度」が約3%以上低下しているか、覚醒を伴う症状のことを言います。
なお、重症度の分類は大きく分けて軽症、中等症、重症の3つに分けられます
軽症 中等症 重症
5 ≦ AHI <15 15 ≦ AHI < 30 30 ≦ AHI
「睡眠時無呼吸症候群の検査方法」
睡眠時無呼吸症候群の重症度および原因を特定するためには、確かな検査が必要になります。
また、より効果的な治療および処方を行うためにも検査は必要不可欠です。
検査方法はさまざまですが、主に1日入院して睡眠状態を調査する「簡易ポリグラフ」と、脳波や腹部の動きなど細かに記録する「ポリソムノグラフイー(PSG)」が定番と言えます。 ここではそれぞれの検査方法について詳しくご紹介します。
「簡易ポリグラフ」
簡易ポリグラフは以下の4項目を確かめる検査になります。
1) 口・鼻の息をチェック
2) 酸素不足のチェック
3) 胸の動きをチェック
4) いびきのチェック
このように簡易ポリグラフは非常に簡易的な検査方法と言えますが、睡眠時無呼吸症候群における重症度の確認は十分にできます。
ただし、軽症から中等症の方に限っては正確な診断ができないというデメリットがあります。また、重症の方でも実際よりも重症度が軽く診断されてしまうケースもあるようです。
「ポリソムノグラフイー(PSG)」
ポリソムノグラフィー(PSG)は以下の状態を連続記録し、最終的に医師が診断を行う検査方法になります。
1) 脳波
2) 心電図
3) 胸部・腹部の動き
4) 鼻からの空気の流れ
5) 動脈中の酸素飽和度
ポリソムノグラフィーは具体的なチェックを行うため、患者への負担は大きくなるものの、非常に精度の高い診断ができる検査方法と言えます。
睡眠時無呼吸症候群にかかっているものの、自覚症状がない方は数え切れないほど存在します。
そのなかで確かな診断を得るためには「脳波」をとる必要があります。 睡眠時無呼吸症候群と聞くと、脳波よりも呼吸における検査が重要と思われがちですが、睡眠の状態を調べるためには脳波の検査が必須と言えます。
よってポリソムノグラフィーは、睡眠時無呼吸症候群を改善するためには欠かせない検査方法になります。
「重症度ごとの無呼吸症候群の症状」
無呼吸症候群の症状は重症度(軽症・中等症・重症)ごとによって異なります。
重症度 | 症状(1時間当たりの無呼吸・低呼吸の回数)
軽症 : 5回から20回
中等症 : 20回から40回
重症 : 40回以上
重症度が高くなるほど、合併症を伴うリスクも高くなります。
「確実な検査を行って健康を取り戻そう」
睡眠時無呼吸症候群は自覚症状がない病気なので、確かな検査を行わないと自分に合った治療および処方を見出すことができません。
診断精度の高い検査方法である「ポリソムノグラフィー」を行い、十分な治療を受けて健康を取り戻しましょう。